
残火 / Zanka
EP「僕が死のうとした夜に」収録曲
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気付けば何日 あれから生きていただろう
澄んだ風で満ちた身体が浮かぶ
道を歩いた 花を見ては空を見た
影落とす日傘 僕はここにいた
これは残った灯を貰っただけだ
余った日々を生きてるだけだ
消えてたんだよ本当はあの日
線香花火が落ちるみたいに
蒸し暑い夕は坂の上 寂寥裂き
短い花火が空を覆った
懐かしいのは記憶のせいだけじゃないだろ
煙の匂いが鼻を突いていた
今は残った火を眺めてるだけだ
余った日々を生きてるように
星はふと見上げた空に散る
いつかこの突き抜けた空に散る
これは残った灯を貰っただけだ
虫の調べに螢が咲いた
涼しい風に揺らいだ蝋燭
夜をただ待つ僕は篝火だ
これは残った灯を貰っただけだ
余った日々を生きてるだけだ
消えてくんだよ誰しもいつか
閃光が夜闇に輝いた
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2020/08/31